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読書好きおじさんの小説紹介的雑文集

★★★★

『かけら』青山七恵

いきなりだけれど、僕にもいとこがいる。最近会ったのはいつだったか。何年かに一度、というくらいの頻度でしか会うことがないので、その度いとこの変化に驚き、何を話していいのか分からず、うろたえる。 そして、また数年間会うことがなく、次会うときもき…

『佐渡の三人』長嶋有

身内の死というのは、とても悲しい。そして、この「悲しい」という感情を描いた物語というものは、世の中に沢山ある。ちょっとあり過ぎなくらい。今回読んだ長嶋有さんの『佐渡の三人』という小説も、身内の死を取り扱ってはいるけれども、その「悲しい」と…

『問いのない答え』長嶋有

★★★★☆ 何でこんなの書けるんだろね。やっぱ長嶋有さんは天才だ。いや、さすがにそれは言い過ぎか。そう。そうなんだよ。この「過ぎた」が良くないということなんだよね。そして、「過ぎない」小説を書けるのが、長嶋有さんなんじゃないか、と思う。 きっと、…

『ランドマーク』吉田修一

★★★★☆ 久々に吉田修一さんの小説を。この『ランドマーク』は建設業界で働く人たちとその周辺の話。自分が働く業界の話というのもあって、とても想像しやすかった。まあ、そもそも、吉田さんの表現力が素晴らしいのだろうけど。 この小説を読んでいて考えたの…

『砂漠』伊坂幸太郎

★★★★☆(★について - NOVELIFE) 正月休みで食べ過ぎて身体が重い。ぼちぼち仕事始めてるけど、まだまだ本調子とは言えない感じ。まあ、徐々に戻るだろうけども。 で、そんなダラダラな正月休みの間に読んでいたのが、伊坂幸太郎さんの、『砂漠』。新年最初だか…

『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎

★★★★☆(★について - NOVELIFE) 今年も、もうすぐ終わるねえ。時間を飛び越えたような不思議な感覚になるあの日がやってくる。師走か。走るのは師匠だけにしてほしい。むしろ走り回っているのは弟子ばかりの気もする。そうして僕は走りながら、今こうやってブ…

『サイドカーに犬』長嶋有

★★★★☆(★について - NOVELIFE) 女性の涙ってやつに弱い。戸惑う。急に階段を駆け上ったその人を、ぽかんと下から見上げるような気持ちになる。バカ丸出しだ。ほんと、女性のほうが一歩も二歩も先を進む。数年後、あの時のあの言葉はこういうことか、とやっと…

『首折り男のための協奏曲』伊坂幸太郎

★★★★☆(★について - NOVELIFE) 長編だと思って読み始めたら、短編集だった。いくつかの雑誌のために書いた短編をまとめたものみたい。だから、連作短編集というわけではなく、一応ひとつひとつが独立したお話。 だけど、少しづつ繋がりを持たせてあって、不思…

『パラレル』長嶋有

★★★★☆ (★について - NOVELIFE) たまたま見てしまったんだけど、今、50mほど離れたところを歩いていたおじさんが、転けた。おじさんは恥ずかしそうだった。見てしまって申し訳ないと思いながらも、こうやってブログに書いてしまっている。 誰かに話したくなる…

『チエちゃんと私』よしもとばなな

★★★★☆ (★について - NOVELIFE) チエちゃん。と聞いて、どうしても頭に浮かんでしまう。何を隠そう、僕の義理の姉もチエちゃんなのだ。妻の姉で、僕とは同級生。妻は、よしもとばななさんの小説が好きなのだけど、それが理由で、この『チエちゃんと私』は読ん…

『春、バーニーズで』吉田修一

★★★★☆ (★について - NOVELIFE) 何だかんだと忙しい毎日を過ごしていると、何か大事なことを忘れてるような気がしてしまう。気がするというより、実際に忘れている。何を忘れているのかも忘れている。笑 だから読書の時間というのが必要なのかもしれないな、…

『パークライフ』吉田修一

★★★★☆ (★について - NOVELIFE) つい最近、仕事関係で知り合った方が、僕と同じ名前だった。お互いにびっくりして、笑った。一気に近しく感じた。中学の時に同じ学年に一人いたんだけど、それ以来だった。中々出会うことってない。 と思ってたんだけど、また…

『空中ブランコ』奥田英朗

★★★★☆ (★について - NOVELIFE) やっとこさ、仕事のほうも落ち着いて、気持ちにも余裕が出てきた。ここのところ、あまり本も読む時間を取れてなかったけど、仕事の休憩時間などに、ちびちびと読んでた短編が、奥田英朗さんの『空中ブランコ』。 前作の『イン…

『刑事のまなざし』薬丸岳

★★★★☆ (★について - NOVELIFE) 週間天気予報に、ついに雪マーク。いよいよか、という感じ。北国の人間にとって、厳しい季節がやって来る。スタッドレスタイヤへの交換はお早めに。 そんな寒々しい季節は、家で大人しく読書でもしてるのが一番いい。ついでに…

『テロリストのパラソル』藤原伊織

★★★★☆ (★について - NOVELIFE) 「そうさ。人間は陳腐への階段を降りていく運命にあるんだよ」(本文より) 僕はどのあたりまで降りてきただろうか。まあ、元々高い位置にいたとは思えないし、階段も緩やかだろうけど、確実に降りてきているという実感はある。 …