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読書好きおじさんの小説紹介的雑文集

『パイロットフィッシュ』大崎善生

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パイロットフィッシュっていうのは、熱帯魚などを飼育する際に、最初に入れて水槽の中の環境を整えてくれる魚のことらしい。犠牲になってくれるんだね。『パイロットフィッシュ』を読んでいて、熱帯魚を飼ってみたいな、とも思ったけど、そうやって犠牲になる魚の存在を知ると、なんだかなあ、と考えてしまうところもある。


とは言っても、僕は魚も食べるし、肉も食べる。そういう様々な犠牲の上に生かされているってことは忘れてはいけないな、と思う。


でも、やっぱり熱帯魚、飼ってみたい。

記憶と行動原理

記憶って、人間の行動原理の一つなのかなと思う。観たり聴いたり話をしたり、そういう経験の中で、感情が動かされて、それが記憶に残って。で、それを基に、今の自分はどういう行動をするか決めている。意識的にかもしれないし、無意識かもしれないし、わからないけど多分そう。


っていうようなことを、この『パイロットフィッシュ』を読んでいて考えた。というか、具体的にそんな会話が最後の方にあったんだけどね。何気ない会話だけど、すごく良かったし、ストンと腑に落ちた場面だった。


あ、行動原理と言えば。女性はどうか分からないけど、男は基本的に、女性にモテたい、好かれたいっていうのが行動の原理原則だと思う。みんなそうだろうと勝手に思ってるんだけど。笑


というのも、『パイロットフィッシュ』の主人公が、とても優柔不断で頼りない感じなんだけど、何故かモテるんだよね。羨ましいなと思って。笑。優柔不断なところなんかは自分とよく似てるんだけど、この主人公と自分はどう違うのか、なんて考えながら読んだもんだから、ああ、やっぱり男って、モテたい、が基準なんだなと。あれ?みんなそういうわけじゃないのかな?笑


まあ、いいか。

村上さんより大崎さん

大崎善生さんの小説は初めて読んだ。綺麗で、なんかフワッとした文体だけど、大事な場面でしっかり的確な言葉を並べてくれていて、感じ取りやすかった。大崎善生さんは、いわゆる春樹チルドレンのひとりらしいし、まあ確かに似てると言えば似てる。でも、大崎さんの文体のほうが、輪郭がはっきりしてる。


僕は村上春樹さんより大崎善生さんのほうが好きかな。昔は村上春樹さんの小説が好きだったんだけど、歳をとるにつれて、そうでもなくなった。村上さんの小説は、10代とか20代前半くらいにちょうどいいと思ってる。まあ、あまり比べるものでもないし、好きなものは好きでいい。


恋愛小説って、普段あまり読まないけど、たまにはいいかもな、と思った。ほんと、ごく稀にスパイス的にでいいけど。この『パイロットフィッシュ』をはじめに、3部作らしいけど、多分次を読むのはだいぶ先になりそう。でも、いつかは読むんだろうなという予感はある。