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読書好きおじさんの小説紹介的雑文集

『ウランバーナの森』奥田英朗

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この小説は、出来ることならお盆の時期に軽井沢で読みたい。とは言え、お盆は実家のお墓詣りもあるし無理だろう。お盆は諦めるとしても、いつでもいいから、軽井沢で読みたい。


一度しか行ったことはないけどね。軽井沢。でものんびり読書するには良いとこだと思うし、この『ウランバーナの森』は最適だ。


つまりこの小説の舞台は、お盆の時期の軽井沢。主人公のジョンは、その軽井沢の、とある森で起こる不思議な出来事を経験する。

ジョン ≠ ジョンレノン ≒ ジョン

ジョンレノンについて語らせたら、右に出るものも左に出るものもいるくらい、まあ、つまりごく普通の知識しか持っていない。


ただ、僕の誕生日が、ジョンレノンが亡くなったちょうど1ヶ月後で、もしかしたら生まれ変わりなんじゃないか、なんて、中学の頃なんかは密かに思ったりしていた。が、勿論そんなわけはない。


そんな中学の頃は、ジョンレノンというよりは、ビートルズが好きで、よく、当時小学生の弟とリンゴスターのドラムの叩き方を真似して、わちゃわちゃ遊んでいた記憶がある。ドラムの叩き方というか首の振り方だったっけ。笑


そんな中学時代から約15年後、新婚旅行で訪れたニューヨークで、僕はジョンレノンが撃たれたダコタハウスの前に立った。


ということで。


今回読んだのは、とある夏のジョンレノンの物語。奥田英朗さんのデビュー作『ウランバーナの森』。正確にはジョンレノンではなく、ジョンという男の物語なのだけど、これは、いわゆる「ジョンレノンの空白の4年間」を、奥田英朗さんが想像力と創造力を駆使し、一つの物語にして描き出したものだ。


事実に基づいた話では全くないんだけど、なんか妙に説得力のある話に仕上がっていて、とても楽しめた。まあ、あくまでジョンはジョンで、ジョンレノンではないんだけど。ジョンジョンわけが分からない。笑


うだうだ書いたけど、要するに、単純に一つの物語として面白いということであって、ジョンレノンを全く知らない人でも、全然関係なく楽しめる小説なんだよってことなのだ。

優しい気持ちになれる物語

なにはともあれ、読後がとても心地よい。


奥田さんらしいユーモアのある文体。そして、生きていれば誰もが気付かぬうちにまとわりつけてしまう手枷足枷を、そっと外してくれるような救いの物語で、温かい気持ちにさせてくれた。


この『ウランバーナの森』を読めばきっと誰もが優しくなれる。もし、そうならない人がいたら許さない。あ、僕自身が優しくなっていなかった。


そんな冗談はさておき、僕は、みんながこの小説を読めば、きっと世界は平和になると信じている。そして、ジョンレノンのイマジンをみんなで一緒に歌おう。



平和って、いいね。