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読書好きおじさんの小説紹介的雑文集

『ランドマーク』吉田修一

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★★★★☆


久々に吉田修一さんの小説を。この『ランドマーク』は建設業界で働く人たちとその周辺の話。自分が働く業界の話というのもあって、とても想像しやすかった。まあ、そもそも、吉田さんの表現力が素晴らしいのだろうけど。


この小説を読んでいて考えたのは、人間という生き物の不可解さと孤独感。


やっぱり人間ってわかんない。当たり前なんてないし、自分では普通だと思っていても、他人からしたら理解出来ないことなんて沢山あるのだろうと思う。


そう考えると、自分には理解出来ないことでも、その人にとっては何でもないことなのだということは、果てしないほどあるように思う。やっぱり人間って不可解。わかんない。


自分の眼に映る世界には自分しか居ない。でもそこにある世界には自分は居ない。孤独だ。喜怒哀楽などの、あらゆる感情ってのは、他人にではなく、自分に向けられている。


なんか面倒くさいこと言ってる。やめた。


えと、要するに、この『ランドマーク』という小説はどんな話なのかというと、ちょっとした歪みから簡単に壊れてしまうものだよね、人間ていうのはさ、っていう話。多分。


その歪みの原因は、もうそこら中あちこちに落ちていて、それを感じない日なんかない。そう考えると、歪みのない人間なんかいなくて、誰もが崩壊してしまう危険性をはらんでいるのだと思う。そこに何かキッカケが起きたとたんに、ボンっと吹っ飛んでしまうかもしれない。


というか、もう壊れてしまっているという可能性もある。自覚がないだけで。最初に書いたように、自分にとっての普通は、他人にとっては理解不能であるかもしれない。あいつは壊れてるって思われてるかも。


怖いねぇ。恐ろしいねぇ。脆いねぇ。人間て。


てなことを考えながら読みましたとさ。


まとめ

吉田修一さんの小説、やっぱり好きだな。でも、この『ランドマーク』よりも、『パークライフ』とか『最後の息子』のほうがより僕は好みかなという感じ。