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読書好きおじさんの小説紹介的雑文集

『私の恋人』上田岳弘

あなた方人類は、うだうだ言わず黙ってこの小説を読むべし。



とか言って、紛れもなく僕も人類であって、そうである以上、人類の歴史は知っておく必要があるのかもしれない。まあ、知らなくても生きていけるけども、知っておけばもう少し真っ当な生き方ができたりするのかな、と思ったりもする。


10万年前クロマニヨン人だった頃の記憶、第2次世界大戦でナチスに捕らえられたユダヤ人だった頃の記憶、そんな記憶を持つ存在がもし近くに居たら、是非話を聞いてみたい。


この上田岳弘さんの『私の恋人』という小説を読むと、そんな存在に出会うことができる。こちらの質問には答えてはくれないけども(そりゃそう)、話を聞くことは出来る。素晴らしいね。


そして、この小説は恋愛小説でもある。10万年前の私が思い描いていた「私の恋人」に、今の私がついに出逢う。途方もない恋愛。僕たち人類には無理ですね。欲が強すぎて。


そんな欲望から、自らが生み出した人工知能にのみこまれ支配されるのだ。あーあ。


ぼちぼち生きよ。


最近読んだ小説の中で一番かも。上田岳弘さんの他の小説も読んでみたい。だから早く文庫にして下さい。