novelife

読書好きおじさんの小説紹介的雑文集

『スローターハウス5』カート・ヴォネガット・ジュニア

>

戦争では簡単に人が死ぬ。そういうものだ



そういうものだ、なんていう言葉で片付けられることではないんだけども、実際に戦争を体験し、見てきたヴォネガットにそう言われたら、正直何も言えん。残念だけども、想像力は体験を超えることはできないのだ。


あ、そうか。だから本を読むんだね。体験した気にはなれる。そして想像する。創造は模倣から、想像は体験からだね(うまいこと言ってる風)。


さて。カート・ヴォネガットは第二次世界大戦でドイツ軍の捕虜になり、ドレスデンの無差別爆撃を実際に体験した。そしてこの『スローターハウス5』は、まさにその体験をもとに描いた自伝的な小説。


実は、この小説を読むまで、第二次世界大戦でのドイツのドレスデン爆撃の事実を知らなかった。そういうもの、なのかもしれないけども、やはりショッキング。悲惨すぎる。つらい。


てね、戦争について書こうとすると、こう重々しい雰囲気になりがちなんだけども、ヴォネガットの文章はからりと乾いていて軽い。で、それがまた逆に哀愁を漂わすっていうね。素晴らしいよね。


時間旅行したり、トラルファマドール星人が出てきたり、SFチックなんだけども、読んでいて全然と言っていいほどSの方(科学)を感じさせない。


ヴォネガットもSFと言われるのを嫌がったらしいので、僕もこれをSFだとは言わないことにする。そもそもSFが苦手な僕が読めたということは、そういうこと(もの、ではなく)だ。


でも、なんか最近SFに興味を持ち始めているような気もしないでもない。こないだの上田岳弘さんの小説(私の恋人)がきっかけかな?本屋さんに行くとSF小説のコーナーにチラッと目がいってしまうもんな。流されていくかもしれない。


ま、ジャンルとか関係なく楽しめれば何でもいいんだけども。


あ、あとヴォネガットといえば、あの作家さん。ヴォネガット好きだなぁとか考えてたら、なんかやっぱり、ああやっぱり僕はあの作家さんの小説が好きなんだなと、気付かされた。若い頃にハマって以来、最近は完全に避け気味だったんだけど。


そう。村上春樹氏ですね。


ああ、また読もうかな〜、なんて思い始めて居ります。あ、でも実家に帰らないとないなあ。帰った時でいいか。


引き続きカート・ヴォネガットいくか。